| スケジュール | 宿泊地 | |
|---|---|---|
| 1 |
日本発 |
機中泊 |
| 2 |
→マドリッド着 |
マドリッド泊 |
| 3 |
●列車でサリアへご移動 |
サリア泊 |
| 4 |
●巡礼開始 |
ポルトマリン泊 |
| 5 |
|
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| 6 |
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メリデ泊 |
| 7 |
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アルスア泊 |
| 8 |
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ラバコージャ泊 |
| 9 |
●巡礼終了 |
サンティアゴ・デ・コンポステーラ泊 |
| 10 |
●飛行機でグラナダへご移動 |
グラナダ泊 |
| 11 |
●アルハンブラ宮殿観光 |
マドリッド泊 |
| 12 |
マドリッド発 |
機内泊 |
| 13 |
→日本着 |
以前から10月の長期休暇にサンティアゴ デ コンポステーラ巡礼を構想していましたが中々踏ん切りがつかず、決心したのは8月のお盆休み頃。一人で歩く時間を最優先しこちらにお願いしました。自分の歩行ペースやアルベルゲ手配などを何度かリクエストし、今回の旅程を組んでいただいたことに感謝します。
日の出の遅いスペインは7時頃でも真っ暗で持参した百均のヘッドライトが役に立ちました。しかし、暗闇に霧のかかった異国の道中は心細く緊張しながら歩き続けました。天候には恵まれ、大自然の音(風・木々の揺れ・小鳥のさえずり等)や匂い(酪農や畑、ユーカリ等の森林の香り)そして絶景を五感で感じながら、自問自答したり今までの人生を振り返ることのできた貴重な時間を神様から与えられたように思います。
今回はサリアから出発して115kmを歩きましたが、様々な「道」を歩くことができました。暗闇の中満月に照らされる墓場の脇道、森林の長いトンネルのような静かな道、乾燥した石畳の道や砂利道(興醒めですが事前に歩行練習をした多摩川の河川敷道と全く同じ)、村の土塀や石造りの家に囲まれた路地、車道の横の高い鉄橋やローマ時代に造られた古橋を通る道、100m超アップダウンの山道等、色々な巡礼路に巡り合いました。まさに「道」は「人生」を表しているように体感できました。決して平坦ではなくそれでいて無風景な道はありません。ある村の巡礼者歓迎のミサである神父は『「道(カミーノ)」は人生(ヴィダ)である』と言っていましたが、私もこの巡礼で確信しました。
・今年は25年に一度のカトリック教会「聖年」に当たり、聖ヤコブ大聖堂の巡礼者ミサではボタフメイロ(大香炉)が力強く高低に揺られるのを観ることができました。
(幸運にも聖年は毎日大香炉が観られます)
ミサの前に巡礼証明書を無事受け取りましたが、ミサ中に巡礼者の「出身地(Japon)」が読み上げられた時に初めて115km完歩した喜びが込み上げてきました。
・聖ヤコブ大聖堂の周辺には多くのバル・レストラン、土産店が立ち並び、巡礼を達成した人々で賑わっていました。夜中も聖ヤコブ大聖堂前の広場で音楽隊(メキシコのマリアッチのような3-4人が楽器演奏と歌を歌う)と巡礼者たちが一体となって盛り上がっていたのが印象に残っています。
・今年のこの時期にまるで導かれたようにこの地に無事巡礼でき、何か不思議な想いがしますが、これも「運命」だったのかなと。旅は計画が重要であることは言うまでもありませんが、何かの都合でキャンセルせざるを得ないことが多々あります。
やはり巡り合わせのタイミングというものもあるということに気付かされました。
・今回、全てにおいてスムーズに廻れたわけではありませんでした。
あるアルベルゲではオスピタレロ(宿舎管理人)が常駐しておらず”遠隔管理”の方式を取っており、通常のコミュニケーションが取れず、その結果次の宿泊先に荷物を宅配便で送ることができずトラブルになりました。幸い次の宿泊先の管理人が良い方で、宅配会社や”遠隔管理”人に連絡を取ってくれ何とか荷物は届きました。
または、今回はエミレーツ航空(ドバイ経由)を手配していただきましたが、マドリッド空港で帰りのドバイー成田便の座席が「Stand-By」状態なのでドバイ空港のカウンターで座席を申請するように言われ緊張が走りました。結果的には通路側で交渉できましたが、これも人生同様にスムーズにいかないことは多分にありますね。
・スペインのバル・レストランの多くは「中」と「外(オープンテラス)」のどちらかで飲食できます。大抵のスペイン人や観光客は「外」を選択しますが、外であれば喫煙がOKである店が大半です。その為、煙草が気になる人が「中」に入るようです。
スペインはまだ喫煙者には寛容な国です。街中にも無数のタバコ屋が点在しています。私は煙草の煙が大嫌いですが、それでも「外」で飲食する方が多かったです。
これも旅だと割り切り、ある程度、喫煙者を受け入れました。まるで日本の昭和時代に戻った感覚でした。
しかし、この旅で「寛容さ」ということを改めて気付かされたとも言えます。
今回は、いろんな意味で気付きや学びを得た巡礼の旅でした。巡礼の旅・スペインに行くことができて本当に良かったです。